レディーススーツを選ぶ際は、肩パットは自分の肩に合っているかどうかをしっかり確認することが大切です。
なで肩の人は厚めの肩パットで補強することで、立体的でシャキッとしたシルエットを作れます。
一方、いかり肩の場合は、肩のラインを強調しない薄い肩パットで、自然ですっきりとした印象にしましょう。なお、既製品のスーツの多くは、肩パットが入っていません。
既製品のスーツでは自分の肩に合ったジャケットが見つからない場合は、オーダーメイドのスーツがおすすめです。
今回は、レディーススーツを選ぶときに押さえておきたい、自分に合った肩パットの見つけ方のコツについて解説します。
肩パットから選ぶ自分に最適なレディーススーツの選び方
レディーススーツを試着したとき、「なんだか古臭い感じがする」「肩回りがたくましく見えてしまう」と感じた場合は、肩パットの厚みが自分の体型に合っていないと考えてよいでしょう。
自分にとって最適なレディーススーツを選ぶために押さえておきたい、肩パットのチェックポイントは次のとおりです。
● 肩パットが適度にフィットしているものを選ぶ
● なで肩の人は少し厚みのある肩パットを選んできちんとした印象に
● いかり肩の人は3〜5mmの薄い肩パットを選ぶ
● 既製品が合わない場合はオーダースーツを作る
肩は人と相対したときに目につく場所なので、しっかりと自分の身体にフィットしたスーツを選びましょう。
1. 肩パットが適度にフィットしているものを選ぶ
ジャケットを試着したとき、肩が適度にフィットしているものを選びましょう。ぶかぶかに感じたり窮屈に感じるものは、肩パットが体型に合っていません。また、肩パットの端は自分の方よりも大幅に余っていたり、肩が出てしまうものも避けましょう。
2. なで肩の人は少し厚みのある肩パットできちんとした印象に
日本人に多い「なで肩」の場合は、肩パットにある程度厚みがあるスーツを選ぶと良いでしょう。薄い肩パットでは、ジャケットのシルエットを美しく作ることができません。
また、レディーススーツを販売しているブランドのなかには、肩パットが入っていないジャケット・スーツを展開しているところも多く、なで肩の人は注意が必要です。スーツの生地によっては、肩がだらんと下がっただらしない印象を与えてしまうため、試着の際にはきちんとチェックしておきましょう。
なで肩の人がスーツの試着をした際、チェックすべきポイントは背中です。
脇から肩甲骨のあたりにかけてシワが寄っている場合は、肩パットの厚みが合っていない可能性があります。
自分でチェックするのが難しいのであれば、店員さんにチェックしてもらいましょう。
3. いかり肩の人は3〜5mmの薄い肩パットのスーツがおすすめ
肩が張っている「いかり肩」の人は、3 〜5mm程度の薄めの肩パットのジャケットスーツがおすすめです。
10〜12mmある厚めの肩パットでは、いかり肩が強調され本来よりも体格がよく見えてしまいます。また、肩が強調されすぎると、女性でも威圧的な雰囲気になってしまう場合があります。
いかり肩の女性の場合、生地の厚さやデザインによっては、ノーパッドのジャケットを選択肢に入れておくのも良いでしょう。肩回りがスッキリとした印象になります。
4.既製品が合わない場合はオーダースーツを作る
既製品のスーツは大量生産するために、標準的な体型を前提として作られているものが多い傾向です。そのため、既製品のスーツでは自分の体型に合った商品が見つからない場合もあるでしょう。
既製品の肩パットがいまいち合わない、自分の体型にフィットしたスーツを着用したい、という場合は、オーダースーツがおすすめです。
肩パットの調整は、肩の形だけを見るのではなく、その人の体型全体を見て、バランスを整えることが大切です。オーダースーツのお店であれば、テーラーが体型に合わせた肩パットの厚さを選んでくれるため、肩がフィットせずにジャケットにシワが寄る、ジャケットのシルエットが美しくないといったことがありません。
レディーススーツに肩パットが必要な2つの理由
レディーススーツのなかでも、カジュアルなタイプであれば、肩パットが入っていないものもあります。そのため、肩パットは不要なのではないか、と考える人もいるようです。
スーツに肩パットが必要な理由としては、次の2つが挙げられます。
● 肩パットで体型補正をするため
● 型崩れを防ぐため
1. 肩パットで体型補正をするため
肩パットの入っていないジャケットは、着ている人の肩の形がそのままシルエットに出てしまいます。
肩のラインが美しい人ならそれでも良いですが、多くの人はなで肩だったり、いかり型だったり、または肩の傾斜が左右で異なったりと、さまざまな「くせ」があります。
なで肩の人は厚めの肩パッド、いかり肩の人は薄い肩パッド、左右で肩の傾斜が異なる場合はオーダーメイドで左右の肩パットの厚みを変えるなど、肩パッドの厚みで肩回りのシルエットを調整できます。
また、肩パットが入っていることでジャケットの立体的なシルエットが生まれるため、全体のシルエットが美しくなります。
2. 型崩れを防ぐため
肩パッドには、ジャケットの肩回りを補強して型崩れを防ぐ役割もあります。
肩はよく動かす部分のため、長期的に着用していると、だんだんと型崩れを起こしてきます。
また、ノーパッドのジャケットは、袖の重さによって肩全体が徐々に下がってき、肩胛骨(肩と袖のつなぎ目)にシワが寄りやすくなってしまいます。
肩パットがしっかり入ったものであれば、パッドが芯となって、肩回りが型崩れしにくくなります。
手持ちのレディーススーツの肩パットが合わないときの対処法
現在着用している、またはクローゼットに眠っているスーツの肩パットが自分の肩に合っていない場合は、肩パットを取り外して自分に合った厚みのパットに取り替える 必要があります。
自分でスーツの肩パットを取り替えるには、ある程度の裁縫技術が必要です。無理をすると縫い合わせ部分が不自然になり、スーツのシルエットが崩れてしまいます。
どうしても手持ちのスーツの肩パットを取り替えたい場合は、スーツのお直しを行っている専門業者に依頼することをおすすめします。
また、「パットを入れるといかり肩が目立つ」「着心地が気になるのでできればパットを入れたくない」という人は、ノーパットのスーツを探すのもひとつの手です。
ノーパットのスーツはパット入りのスーツと比べると型崩れが起こりやすいものの、体型に合えばごく自然な印象の着こなしができます。ビジネス用であっても比較的フランクな場面であれば、ノーパットのスーツを選んでもよいでしょう。
自分の体型に合った肩パットのレディーススーツを選ぼう
肩幅や肩の厚みは人によってさまざまです。また、なで肩、いかり肩といった肩の傾斜によって、選ぶべき肩パットの厚みは変わってきます。
レディーススーツを選ぶ際は、試着の段階で肩パットの厚みが自分に合っているかどうかをしっかり確かることが大切です。なで肩の場合は厚めの肩パットで肩の傾斜を補正し、いかり肩の人は薄めの肩パット、またはノーパットのジャケットで、肩まわりをすっきり見せましょう。
パット入りのスーツとノーパットのスーツを用意しておき、場面に合わせて使い分けるのもおすすめです。