春や秋のおしゃれの幅を広げてくれるアイテム、トレンチコート。
デザインがいろいろとあって、中にはトレンチコートが欲しいと思いつつもどれが自分に似合うのかわからず、二の足を踏んでいる人もいるかもしれませんね。
今回の記事では、そんな人のためにトレンチコートを選ぶときの注目ポイントについてまとめてみました。
トレンチコートの特徴とは?
トレンチコートについて、スタイリッシュでシンプルな印象を抱いている人は少なくないでしょう。
それもそのはず、トレンチコートはもともと軍用に作られたもので、見た目よりも機能性、実用性を重視して作られたものなのです。
第一次世界大戦時にイギリス軍が着ていたコートが起源とされ、塹壕(トレンチ)戦で使用されたことがその名前の由来です。
防水や防寒を目的として着用されていたのですが、大戦終了後に一般に普及しファッションアイテムになったといわれています。
特に、往年の映画スターたちがスクリーンの中で着用したことでその存在感を世に知らしめました。
コートの襟元、手首にはストラップがついており、これを締めることで水や風の侵入を防ぎます。
肩から胸にかけて垂れる布はストームフラップと呼ばれ、雨の侵入を防ぐだけでなく、発砲の際、ライフルの銃床をそこに当てて衝撃を吸収する役割もありました。
機能性だけでなく耐久性にも優れ、長年使用できる定番アイテムとしてファッション界に徐々に定着していきました。
身を守ることが何より優先されたため、デザインは極めて質素で、ときおり無骨ささえも感じさせるものが少なくありません。
ダブルボタンで打ち合わせてあり、広がりを抑えたシルエットがその特徴です。
軍用の名残で肩口や襟の裏などあちこちにベルトがあり、生地にはハリのある素材が使われています。
春や秋に着られているイメージが強いですが、ライナー(裏地)付きのものを選べば冬場にも着用可能です。
また、現在ではファッション性に特化したアイテムも多く、さまざまな色や形から選べるようになっています。
フォーマルからカジュアルまで対応できる、とても万能なコートですね。
重視したいサイズ感
トレンチコートを選ぶ際は、デザイン性も大事ですがサイズ感も重要なポイントです。
機能性重視ですっきりとしたデザインのものが多いため、サイズ感を間違えるとあか抜けない印象になってしまうことがあるからです。
タイト過ぎず、かといって大き過ぎず、微妙なバランスを見極める必要があります。
自分の審美眼にイマイチ自信が持てない人は、友人と一緒に買いに行ったり、アパレルショップの店員さんに相談してみたり、第三者の意見を聞いてみましょう。
後ろ姿など自分では見えない部分もありますから、さまざまな視点から検討することでより自分に似合うアイテムを探せるはずです。
試着をするときには、インナーに何を着るのか想像しながら着てみましょう。
カットソーなど薄手のインナーと一緒に着るなら、ぴったりしたデザインのものを選ぶと、全体的にすっきりとした着こなしになります。
華奢なアクセサリーを合わせるなど、女性らしいアイテムを取り入れればよりフェミニンな雰囲気が演出できますね。
セーターやパーカーなどと合わせるなら、肩回りにある程度余裕のあるものを選ぶようにしましょう。
あまりぴったりのものを選んでしまうと、中に厚手のものを着たときに着ぶくれして見えてしまう恐れがあります。
しっくりくるサイズ感を選んで、ラフなコーディネートも楽しみましょう。
色選びのコツは?
トレンチコートはデザインこそシンプルなものが多いですが、その分カラーバリエーションは豊富です。
ホワイトやブラックなどのベーシックカラー、華やかなパステルカラー、思わず目を奪われるようなビタミンカラーと、選択肢はさまざまですから、自分好みの色を見つけやすいでしょう。
どれを選べばいいのかわからない人には、まずはベーシックカラーがおすすめです。
定番のベージュやブラック、ネイビー、カーキ、グレーであればどんな服にも合わせやすく、さまざまなスタイリングが楽しめるでしょう。
シーンに合わせてきれいめにしたり、カジュアルダウンしたり、手持ちのアイテムと組み合わせてスタイリングを楽しんでみてください。
流行に左右されないカラーでもあるので、長く着られるのもうれしいポイントですね。
また、「自分に似合う色」を探してみてもいいでしょう。
人にはそれぞれパーソナルカラーと呼ばれるものがあり、似合う色と似合わない色があります。
これは髪や目の色、肌の色味などから判断され、ブルーベースとイエロベースの2つに大別されます。
パーソナルカラーに合わない色を選んでしまうと、顔色がくすんで見えたり、なんとなくちぐはぐに見えてしまったりすることがあるので注意が必要です。
インターネットで検索してみれば、自分のパーソナルカラーを簡単に判断できる便利なツールがいろいろとあります。
あるいは、プロに判断してもらえるサービスを展開しているコスメブランドもありますので、ぜひ活用してみてください。
自分のパーソナルカラーを知り、似合う色を選べるようにできるといいですね。
もちろん、「似合う色」にこだわりすぎず、トレンドカラーを取り入れたり思い切って好きな色を選んでみたりするのもいいでしょう。
ベーシックカラー以外はなかなか手が出せない、という人はぜひ小物でいろいろなスタイリングに挑戦してみてください。
マフラーやスカーフなど、顔周りにパーソナルカラーを取り入れれば違和感のない着こなしを実現できます。
着丈で変わるイメージ
次に注目すべきは着丈=長さです。
トレンチコートは同じようなデザインでも着丈によって見た目の印象が大きく変わります。自分には何が似合うのか、また、どんなファッションにしたいのかなどを考えながら、選ぶようにしましょう。
トレンチコートの長さはショート丈、ミドル丈、ロング丈の3種類があります。ショート丈は腰が隠れる程度の長さです。
ジャケット感覚でさっと羽織れるので、コンパクトなスタイリングにまとめられます。
太めのボトムスなど下半身にボリュームを出すと、バランスのよいコーディネートになりますよ。
ミドル丈は、膝くらいまで長さがあるものをいいます。
最もベーシックなもので、シーンを選ばずに着ることが可能です。流行にも左右されにくいので、長く使えるアイテムとしても重宝できますね。
そして、膝より長いものはロング丈に分類されます。
1枚着るだけで、スタイリッシュで大人な着こなしが実現できる優れものです。
ただし、背の低い人が着ると着られているような、ルーズな印象になってしまうことがあるので注意が必要です。
着こなしが難しい丈ですので、購入のときにはしっかり試着して見極めましょう。
低身長の人はショート丈を選べばバランスがとりやすく、すっきりしたコーディネートにできます。
あるいは、背の高さに左右されないミドル丈もおすすめです。
着脱可能なアイテムも要チェック
また、ライナーやファーなど着脱可能なアイテムにも注目してみましょう。
こういったアイテムはうまく使いこなせばいつものコーディネートをワンランクアップさせてくれます。
ここでは、それぞれ特徴や着こなしのポイントについて詳しく解説していきます。
ライナー付き
ライナーとは付け外しができる裏地のことで、トレンチコートには付いているものとそうでないものがあります。
手軽に着脱できるので温度調節がしやすく、おしゃれさだけでなく快適さも実現してくれる便利なアイテムです。
冬の間はつけておいて、春先に暖かくなってきたら外す、とすれば、気に入ったコートをロングシーズン着られますね。
ライナーの素材はポリエステルやウール、薄手のダウンなどさまざまなものがあります。
寒い季節であれば、キルティングのライナーがおすすめです。
防寒性能が高いので、しっかりと中を温めてくれます。
気温の変化が激しい季節の変わり目にはウールがおすすめ。
ウールは熱伝導率が低いため、涼しいときは涼しく、暖かいときには暖かく保ってくれる特徴があります。
暖かかったり寒かったり、天気が目まぐるしく変わる春先や秋にはウールがぴったりといえるでしょう。
また、吸湿性も高いので突然雨に降られても快適に過ごせるのではないでしょうか。
ファー付き
トレンチコートは“かっこいい”印象が強く、ついついコーディネートもクールでシックにまとめようとしがちです。
もちろん、スタイリッシュさを追求してもいいですが、コーディネートがワンパターンになってきたな、と思うときはぜひファー付きにチャレンジしてみてください。
首元にファーがついているだけで、コーデが華やかでフェミニンな印象に様変わりします。
着脱できるものを選べば、その日の気分によってコーデにいろいろな変化がつけられますね。
防寒性もあるので、寒い時期にも大活躍してくれるでしょう。
季節による違いは?
ライナーをうまく使えば冬でも着られるトレンチコートですが、実は素材やデザインによって春向きのものと秋向きのものがあります。
季節感に合わないものを選んでしまうと、どことこなくちぐはぐなコーディネートになってしまう恐れがあるため、注意が必要です。
それぞれについて、確認していきましょう。
春向きのトレンチコート
まず、トレンチコートを着るのにふさわしい気温ですが、15℃がひとつの目安になります。
これは春でも秋でも変わりません。
15℃以上では少し暑さを感じることがあり、また、10℃を下回ると厚手のコートに切り替えたいな、と思うような気温です。
10~15℃くらいがトレンチコートを着るのにぴったりの気温といえるでしょう。
だんだんと暖かくなってくる春先によく見られるのは、ライナーの付いていないトレンチコートです。
軽い着心地で、ジャケット感覚で着られるものが少なくありません。
生地も薄手で柔らかいものが多く、必要に応じて腕まくりがしやすいのもうれしいポイントです。
もちろん、必要に応じてライナー付きのものを買ってもいいでしょう。
色は、春の訪れを告げるような明るいポップな色合いのものが人気です。
ピンクや水色などの爽やかな色、ふわっとしたパステルカラーを選べば自然と心も弾みますね。
普段、ベーシックカラーばかりで代わり映えがしないと悩む人は、春先に思い切って普段着ない色にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
秋向きのトレンチコート
秋は徐々に気温が下がってくる季節ですから、温度調節のしやすいライナー付きがおすすめです。
うまく利用して、快適に過ごせるようにしましょう。
やや厚手でハリのある生地を選べば防風性、防寒性にも優れ、冬まで長く着られます。
もともと機能性、実用性を重視した作りのコートですから、探すのに苦労はしないはずです。
春用のコートと比べ、色についてはベージュや黒などシックで落ち着いたものが多いです。
定番カラーですので、どんなファッションとも合わせやすいですね。
その中でも光沢のあるものを選ぶと、暗くなりすぎず華やかさを残したコーディネートができます。
レディースとメンズの違いは?
そのスタイリッシュな見た目から、男女問わず人気のあるトレンチコート。
性別に関係なく着られるアイテムではありますが、実はレディース用とメンズ用があり形がそれぞれ違います。
例えば、レディースの場合、前ボタンは「左」についていますが、メンズは「右」についています。
当然、重ね合わせも逆になり、ストームフラップの位置も反対です。
また、身体のラインに沿ったデザインになっているため、レディースはウエストのあたりが絞られているものが多いです。
男性が着ると腰回りがパツパツになってしまうためおすすめできません。
肩回りも男性ものに比べるとタイトなものが多いので、しっくりくる着こなしは難しいのではないでしょうか。
女性が男性ものを着る場合には、あえてタイトなデザインのものを選んだ方がスタイリッシュな装いになるでしょう。
オーバーサイズを選ぶと、トレンチコートの持つスマートな雰囲気が台無しになってしまいます。
このように、女性ものと男性ものとで違いがありますから、選ぶときにはそれを考慮に入れて探してみましょう。
ベーシックな一着があると便利
トレンチコートは素材やカラーを選べば春、秋、冬と3シーズン着られる非常に便利なファッションアイテムです。
特に、ベージュなどのベーシックカラーは着回しがしやすく、ぜひ一着は持っておきたいものです。
選ぶときには、価格や素材、色などをまとめて比較できるオンラインショップがおすすめです。
自分に合ったこだわりの一着に出会えるでしょう。